abiasの長文置き場

思ったことを思った時に書きます

最近プレイした一癖あるADVたちを紹介する

 こんにちは。皆さんADVやってますか?いわゆるノベルゲーム、文章読むやつです。

 普段はTwitterで感想をつぶやいて終わりにしているのですが、ここ最近で「これはおもしれぇ……語りてえよ……」と思ったやつがいくつかあるので、ちょっと文章にしておきたくてこの記事を書いています。

 3本紹介しますが、どれもかわいい女の子がいっぱい出てくるやつです。ただし、奇跡的にどれも全年齢向けゲームなので、もしあなたが初心な現役中高生でもブラウザバックはしなくて大丈夫です。

 でもタイトル通り、どれもちょっと癖があるやつなので、万人におすすめはできません。確かに、ちょっと、とっつきにくいかもしれません。が……!!どうか!是非プレイしてほしい。プレイしたらこうしてきっと広めたくなる。そんな感じの作品たちです。

 

 

ことのはアムリラート

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sukerasparo.com

 
どんなゲームか

 主人公の女の子、高遠 凛がある日突然異世界に迷い込んで、そこで出会った女の子、ルカと仲良くなるお話。最近流行りの異世界に行っちゃうやつですね。

 女の子がヒロインなのに主人公も女の子。つまりいわゆる百合のゲームです。

 そしてこの作品には特徴がunuあります。それはこのmondoでは使われているlingvoが異なるということです。Juliamoと呼ばれるlingvoで人々はparolas、 凛はne komprenas g^in,do Rin lernas Juliamo kun Ruka,kaj ili amig^os...

 というお話です。

 やっべwww母国語出ちゃったwwwバスwww

 

 何を言ってるかわからないと思うのでもう一度説明すると、凛の迷い込んだ世界では日本語ではなくJuliamo(ユリアーモ)という言葉が使われています。そのため上記のように何を言ってるか全然わかりません。いや、別にこんなルー語みたいな感じではないんですが……

 しかし、その世界で出会ったルカは少しだけ日本語が、ゥあかる……わかるので、そんなルカと一緒にユリアーモを学んでいくことになる。といったお話です。

 

主人公への感情移入度が半端ない

 突然異世界に飛ばされたことによる、誰も知人がいない孤独感、言葉が通じない不安感がひしひしと伝わってきます。なんせ本当に文字が読めない・聞き取れないんですから。字幕は2週目以降じゃないと出せないので、マジでわかりません。

 異世界に降り立ってから、出会ったルカに優しく声をかけられても、何を言ってるか理解することが出来ない。なんと返せばいいかわからず黙り込んでしまう凛に、それでも話しかけてくれるルカ……見ているこちらの胸が一杯になるシーンです。

凛が店で買い物をするシーンでは、店員とユリアーモで会話をすることになります。が、上手く聞き取ることが出来ない。言葉が通じないとみるや、ゆーっくり、一単語ずつ、伝えようとしてくれます。でもわからない。その優しさに報いることが出来ず、プレイヤーである俺も意味を理解することが出来ず、申し訳無さでいっぱいになってきます。

 そんな中でも優しく言葉を教えてくれるルカ。めちゃくちゃ甘えてぇ……凛より3つも年下の中学生なのに、とても頼りがいのある彼女は、逆に日本語を勉強中。こちらは凛が言葉の先生となって、お互いに話す中で日本語を教えていきます。こんな小さな子が頑張って勉強しているのに!私も頑張らなきゃ!……自然と勉強へのモチベーションも高くなるのは、当たり前ですよね?

 

百合で覚えるユリアーモ

 会話と読み書きをして、この世界で生きていくためにはユリアーモを学ぶしかないのです。

 そう、学ぶのです。凛が、そして、あなたが!

 このゲーム、勉強パートと称してちょくちょく言語の勉強をすることになります。その締めにはテストとして、ユリアーモのクイズが出題されます。そして、クイズに正解するとそれ以降の会話で該当の単語が和訳されるようになっているのです。そのため、きっちり勉強しないと話がわからなくなってしまうというシステムになっています。

 その学習内容は、ユリアーモで使われるアルファベットの一覧、発音から始め、おはよう(Bonan matenon)やありがとう(Dankon)といった挨拶、基本的な文法(Mi estas Rin...私は凛です)、疑問形、不定詞の変化、etc...と多岐にわたります。このゲームを終える頃には一通りの簡単な会話ができるようになっているといっても過言ではありません。

 このユリアーモ、なんと実在する言語をベースにされており、本作は全編に渡り言語の監修を受けて制作されているため教材としてもかなりの出来を誇ります。

 そしてそんな本格的な勉強がどのような感じで行われるのかと言うと……百合です。

 文字を覚えたら相手の名前をユリアーモで書いていちゃいちゃしてみたり、ルカの身体を触るとその部位の名称を教えてくれるおさゥあり勉強なるヤバいシステムで言葉を覚えたり。ルカ先生が流暢な発音でとても優しく教えてくれます。ちゃんと勉強したらご褒美も……?最高だな!

 日常パートでも、ルカと街へお出かけして目に入った単語の意味を教えてくれたり、一緒にお風呂に入って"温かい"と"熱い"の言葉の違いを学んだり、ユリアーモでの口説き文句を凛が覚えてルカに伝えるというシーンがあったりと、めちゃめちゃ楽しいです。勉強。これは勉強なんだ!!

 

百合と異言語の相性とは

 ここまでユリアーモのことについて書いてきましたが、本質は百合ゲーの恋愛ADVです。

 今作の良さを一言で表すのなら、「上手く伝わらない想い」といったところでしょうか。

 彼女たち同士の想いは文字通り上手く伝わりません。そこには異言語という壁が存在します。

 時にはすれ違ったり、勘違いをしたりしてしまうこともあります。恋愛モノにおいての必須な要素ですね!

 会話の中で言葉を教え合い、相手のことを少しずつ少しずつ知っていくなかで芽生えていく想いを、行動と、拙い"ことのは"を紡いで届けようとする二人。そこには確かなAmo(愛)が存在します。

 主人公の凛は元気一杯で突き進んでいく女の子。勉強はあまり得意ではありませんが、持ち前のたくましさで必死に頑張る姿が素敵です。

 ヒロインのルカはとても可愛らしい女の子。献身的で、家事もこなせて、学校に通いながらも凛に尽くしてくれるダメ人間製造機みたいな天使です。たどたどしい日本語の発音がとてもキュートな14歳。14歳!?マジか!?犯罪では??でも大丈夫。これは全年齢向けゲームですから。

 そんな対象的な二人が出会って、ひとつ屋根の下で生活する。もう言葉は不要ですよね。これは百合です(断言)

 

総括

 クリアまでのボリュームはそれほどですが、一周目のプレイでは凛と一緒に異世界らしさを体験し、二周目のプレイでは字幕(+培った知識)によって「このシーンではこんな会話をしていたのか!」という二度美味しく楽しむことができる仕組みがあるので満足できます。

 長々と書きましたが、とにかくルカがかわいいのでぜひやってほしい。ここまで書いておいて結局それか?という感じですが……

 深く考えずとも、ただの恋愛ADVなのでプレイするためのハードルはかなり低いです。未知の言語に触れるというのもなかなか新鮮な体験ですよ。

 

本作はPCゲームとして発売されましたが、android版やiOS版が配信されたり、最近発売されたコンプリートブックにはゲーム本編のダウンロードコードもついてきたりと、手を出しやすいみたいです。

 体験版もあるので、序盤の"異世界感"だけでもぜひ味わってほしい一作です。……Mi petas!(お願いします!)

 

 

 では次のゲーム紹介です。

VA-11 Hall-A (ヴァルハラ)

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publishing.playism.jp

 
どんなゲームか

 ジャンルをサイバーパンクバーテンダーアクションと銘打たれた本作は、バーで働く主人公のジル(画像の目つきが悪いツインテールの人)が、やってくる様々なお客さんたちにお酒を提供し、会話を繰り広げる、言ってしまえばただそれだけのゲームです。

 ただしどの客も非常にキャラが濃く……巨乳の天才ハッカーお姉さん、眼帯をつけたゴツい殺し屋、脳みそだけの姿の紳士、エロい仕事をしている少女型ロボット、サングラスをかけた喋る犬……とにかくヤバい奴らがいっぱい来ます。

 中には変な注文を繰り返してくる意地悪な客や、露骨なセクハラの質問をぶつけてくるような変な客もいて……ジルはそんな客をあしらったり、相づちを打ちつつ、給料を貰って日々を生きていくのです。

 

サイバーパンクな世界

ジャンルにもある通り、ここは"サイバーパンク"な世界です。

 未来的でSFチックな雰囲気のこの街では、技術が発達しナノマシン治療や人体の機械への置き換えなどが普通になっています。政府や大企業が住人たちを管理し、貧富の格差が問題となっているディストピアでもあり、どこか息の詰まったような堅苦しさを感じます。

 ジルの働くバー"VA-11 Hall-A"(ヴァルハラ)は、そんな世界の人々の憩いの場として、あるいはふらりと迷い込んできたお客をもてなす場として経営されています。

 そんな一風変わった世界観を持つ本作ですが、あくまでこれらはフレーバー。それらの設定は特に説明されることなく話は進んでいきます。それに、変な姿形の客が来たとしても、それはあくまで普通なこと。どんなぶっ飛んだヤツらがいてもおかしくない、そんなイカれた世界、良いと思いませんか?

 客との会話の節々や、作中のニュースサイトに載っている記事から感じ取ることができる、どこか不思議で、妙にリアリティのある世界。上記の説明を読むだけだとなかなか複雑な設定に思えるかもしれませんが、プレイしてみるとまるで口当たりの良いカクテルのように、スッとこの世界に浸ることができると思います。しかし、その味わいはとても濃厚なのです。

 

 

そんな世界でも生きていく人たち

 この世界では、あちこちで暴動が起きたり事件が起きたりと、お世辞にも住みよい世界とは言えないでしょう。

 それに対して主人公であるジルは、物語の中で日々の事件を解決したり、世界の謎を解明したりする……ような力など持ち合わせていません。当たり前です。ただのしがないバーテンダーである彼女にできることは、ただお客さんの話を聞いて、一杯のカクテルを出すことだけ。

 

 しかし、それでも救われる人はいるのです。疲れ果てた顔をしてやってきた常連や、勉強疲れから自棄になってバーに来た少女、そんな彼らの話を聞き、時にはアドバイスをして、カクテルを出したり、あるいは出さなかったり。それだけのことでも、確かに救われる人は存在します。

 "一日を変え、一生を変えるカクテルを!" ……ジルが仕事を始める際に発する言葉です。なんだか素敵だと思いませんか?人は皆、何かしらの悩みを持っています。ですが、VA11-Hall Aにやってきてジルに接客してもらった客は、少しだけスッキリした表情で店を去っていくのです。……別にヤったりしてるわけじゃないですよ。

 

 こんな世界であっても、上手く行かなくても、何か嫌なことがあっても、立ち直り、前を向いて強くあろうとする生き方。その姿は、見た目や言動が変であってもとても素晴らしいものなのです。この世界で暮らす彼らからは、そんな想いを感じ取ることが出来ます。

 

総括

 くだらないジョークや掛け合いによる小気味よいテンポの会話、ちょくちょく挟まれる面白いイベント。それらを盛り上げるとてもおしゃれなBGMも相まって、読み物のADVとしても面白い本作の魅力は、是非プレイしてあなた自身にも見つけてほしいと思います。

 ただ、ひとつだけ注意点として、このゲームとにかく下ネタが多いです。オッサンも、女性も、どいつもこいつもすぐに下品なジョークをかましてきます。(本記事でも少しリスペクトしてみました)

 ジルは慣れたものとして上手く流したり、気心の知れた相手ならば逆に自分からも振っていったり。それもまたこのゲームの魅力の一つなのですが。

 

 本作はsteamやPLAYISMなどでPCでも遊ぶことが出来ます。気になった方は、今すぐお酒とおつまみを用意してダウンロードしてみてください。

 

 

次で最後です。

Doki Doki Literature Club!

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store.steampowered.com

 どんなゲームか

 一番の問題児です。

 

 通称DDLC、タイトルを日本語訳すると"ドキドキ♡文芸部"。海外で制作された美少女ノベル作品で、なんとSteamにて無料で配布されています。しかし、その作り込みたるや凄まじいものがあり、完成度は他のゲームに引けを取りません。日本語はまだ非対応ですが、最近有志の手によって非公式日本語化パッチが制作されました。

 簡単なあらすじはこうです。

 学校に通っているあなたはどの部活に入ろうか悩んでいると、幼なじみのサヨリから彼女も所属している文芸部へ誘われる。放課後、文芸部の部室を訪れたあなたを迎えたのは、本が大好きな文学少女のユリ、ツンデレで気の強いナツキ、誘ってきた張本人のサヨリ、そして才色兼備で人気者な部長のモニカ。そんな美少女4人とともに文芸部の活動をしていくうちに、彼女たちとお近づきになって、親密な関係を築くことはできるのだろうか?

 みたいな感じ。ちなみにモニカはポニーテールです。

 ぱっと見る分には"よくある"恋愛ADVな感じ、なのですが……ここで紹介している以上それだけのものではないのは明らかだと思うので、こんな白々しい紹介はここまでにします。

 

で、どんなゲームか

 とにかくインパクトが凄まじいゲームです。

 正直、このゲームを紹介しようとすると何言ってもネタバレになっちゃうので、とりあえずすぐにでもダウンロードしてプレイして欲しいわけです……無料ですから。モニカとも仲良くなれますし。

  でもそんな感じの説明は、きっと他のブログとか紹介記事なんかでいくらでも出てくると思うので、ここではもう一歩だけ踏み込んで紹介してみたいと思います。

 

 ゲーム開始後、序盤。あなたは可愛い女の子たちと仲良く平和に時を過ごすことができます。このゲームでは文芸部の活動らしく、詩を作るパートがあるのですが、そこで作ったもの次第で女の子とのイベントが発生し、仲良くなることができるでしょう。

 しかし、それもある一定の瞬間までです。この美少女たちの中に、実は問題を抱えている娘がいます。その問題が大きく膨れ上がり、ついに耐えきれなくなった瞬間……平和な部活動は終りを迎えます。

 

 中盤。もうヤバい。ここはマジで思い出したくない。本当に勘弁してほしい。一つの事件をきっかけに狂ってしまった部活動の時間をあなたは過ごします。

 勘弁して欲しいなんて書きましたが、ここの演出たちは一見の価値ありです。ありとあらゆる手法で表現される狂気は凄まじく、まさにドキドキすることができるでしょう。それでも嫌なもんは嫌だけど……

 ていうかなんでこんなことになったんだ。意味がわからない。それもこれも全部あいつのせいdddddddddddddddd

 

 終盤。あなたはこのゲームの仕組みと、真実を知り、スタッフロールを迎えます。

 "あなた自信の手で"、この物語に決着を着けるのです。

 

総括

 いかがでしたでしょうか。ネタバレにならないように、かつ最大限興味を引くような書き方にしてみましたが、よくわからなかったと思います。

 タイトル通りのドキドキを味わえる本作では、ゲームの枠を超えた体験ができます。あなたが小さい子や心臓が弱い方でなければ、是非プレイしてみてください。

 

 

 

 以上、俺の紹介したいADVゲーム3本でした。この記事を見て一人でも多くの方がこれらのゲームに興味を持ってくれたり、もしかしてプレイまでしてくれたら、とても嬉しく思います。